ノア買取相場を年式別に確認【70系80系90系で価格差と目安を見極める】

ノアの買取相場は、一つの価格で語れるものではありません。

現行の90系、先代の80系、先々代の70系のどれに該当するかで、査定額の出発点がまったく異なります。

さらに同じ型式でも、グレードがガソリンかハイブリッドか、走行距離が5万kmか10万kmかで数十万円単位の差が生まれることも珍しくありません。

ネット上には年式別の相場表があふれていますが、数字の出どころや集計条件がバラバラで、どれを信じればいいのか迷う方も多いはずです。

筆者コメント

筆者自身、トヨタの人気ミニバンを含む複数車種で買取査定に立ち会い、ディーラー下取りとの価格差や、同時査定の現場で業者間の提示額がどう動くかを見てきました。

その経験から言えるのは、相場表はあくまで目安であり、実際の査定額は売り方と競争環境で大きく変わるということです。

この記事では、2026年夏時点の市場データをもとに、90系・80系・70系の相場感から年落ち別の目安、ハイブリッドやグレードによる違い、下取りと買取の考え方、そして売り時の判断材料まで整理しています。

自分のノアがどの価格帯に入りそうか、提示された査定額が妥当かどうかを見極める材料にしてください。

ノアの買取相場は年式と型式で大きく変わる

ノアの買取相場を調べるとき、最初に確認したいのが自分の車が90系・80系・70系のどれに該当するかです。

型式によって市場での評価基準が異なるため、ここを間違えると相場表の数字を正しく読み取れません。

2026年8月時点の各型式の位置関係を、まず大きくつかんでおきましょう。

販売時期 主な年式 買取相場の目安(2026年夏時点)
90系(現行・4代目) 2022年1月〜 2022年式〜 約150万〜350万円台
80系(先代・3代目) 2014年1月〜2021年 2014年式〜2021年式 約50万〜220万円前後
70系(先々代・2代目) 2007年6月〜2013年 2007年式〜2013年式 約10万〜55万円前後

※グレード・走行距離・車両状態により大きく変動します。上記はカーセンサー等の平均買取相場を参考にした概算帯です。

この表だけ見ると単純に新しいほど高いように映りますが、同じ型式の中でも条件によって査定額には大きな幅が出ます。

ここから型式ごとの特徴を見ていきます。

2022年以降の90系は高値を維持しやすい

90系は2022年1月のフルモデルチェンジで登場した現行モデルです。

国内のファミリー層からの需要が強いうえに、ハイブリッドモデルはシンガポール向けなどの海外輸出需要も相場を支えており、中古車市場では高値が続いています。

業者間オークションの2026年4〜5月のデータでは、2022〜2023年式のハイブリッドモデルで状態の良い車両(評価点5前後)の落札価格が310万〜330万円台で安定しています。

ただし、新車の納期が正常化してきた影響で、2026年式のプレミア相場は前月比で大きく調整が入った時期もあり、以前のような新車価格超えの状態は落ち着きつつあります。

90系で注意したいのは、グレード間の価格差が非常に大きいことです。

たとえば2023年式で比べると、ハイブリッドS-Zは340万〜400万円前後で取引される一方、ハイブリッドXは260万〜280万円にとどまるケースもあり、グレードだけで80万〜120万円の差が開くこともあります。

80系は年式と状態で査定額の差が広がりやすい

80系は2014年〜2021年に販売された3代目ノアです。

年式の幅が広いぶん、同じ80系でも査定額の開きが大きくなりやすい型式です。

2026年夏時点の市場データでは、2021年式(5年落ち)で約220万〜230万円前後を維持している車両がある一方、2017年式前後(9年落ち)になると走行距離や装備内容次第で100万円を下回るケースも見られます。

80系の後期モデルにはハイブリッドの設定もあり、特にSi ダブルバイビーなどの人気グレードは比較的値持ちしやすい傾向があります。

80系で見落としやすいのは、2017年のマイナーチェンジ前後で装備内容や安全性能に差がある点です。

後期型のほうが中古車市場での評価が高く、同じ年落ちでも前期型と後期型で査定に差が出ることがあります。

下取りだけで判断すると、80系はどの年式も一律で低く評価されやすいのですが、買取専門店の査定では装備やグレードの差がきちんと金額に反映されるケースが多い印象です。

70系や10年以上でも値段が残るケースはある

70系(2007年〜2013年)は13年落ち以上となるため、相場全体としては低めです。

カーセンサーの2026年8月時点のデータでは、70系の平均買取相場は10万〜52万円前後で推移しています。

ただし、ここで大事なのは「古いから価値ゼロ」とは限らないという点です。

ノアのようなファミリーミニバンは、東南アジアやアフリカなど海外市場でタクシーや送迎車として根強い需要があります。

海外への販路を持つ買取業者に査定を依頼すると、国内相場だけで評価する場合とは異なる金額が提示されるケースもあります。

筆者コメント

筆者が立ち会った別車種の査定でも、16年落ちでディーラー下取り0円だった車両が、複数の買取業者を競わせた結果18万円で売却できた実例がありました。

ノアに限った話ではありませんが、年式が古い車ほど「どこに査定を依頼するか」で結果が変わりやすいと感じています。

ノアの年落ち別買取相場を確認する

型式ごとの大枠がつかめたところで、次は年落ち別に相場の目安を確認していきます。

ここでは2年〜15年落ちまでを4つの区分に分け、それぞれの主な型式と相場帯を整理しました。

なお、相場データは2026年夏時点のカーセンサー、グーネット買取、各社査定実績などの複数ソースを参考にしています。

グレード・走行距離・車両状態によって実際の査定額は大きく変わるため、金額はあくまで傾向をつかむための目安です。

2年落ちと3年落ちは現行90系が中心

主な年式 型式 相場目安
2年落ち 2024年式 90系 約250万〜350万円台
3年落ち 2023年式 90系 約240万〜340万円台

90系の2〜3年落ちは、ノアの買取相場の中でもっとも高い価格帯です。

特にハイブリッドS-ZやハイブリッドZなど上位グレードは、走行距離が少なければ300万円台後半に達する取引も確認されています。

この価格帯の車両は、グレードとオプションの内容が査定額を大きく左右します。

たとえば10.5インチナビ装着車は8インチナビ車よりもおよそ30万円高い傾向が報告されており、装備の違いが相場に直結しやすい年式帯です。

5年落ちから7年落ちは80系後期が中心

主な年式 型式 相場目安
5年落ち 2021年式 80系後期 約140万〜230万円前後
6年落ち 2020年式 80系後期 約110万〜200万円前後
7年落ち 2019年式 80系後期 約90万〜170万円前後

この年式帯は80系の後期モデルが中心です。

2021年式は80系の最終年式にあたり、90系に近い装備を持つ個体もあるため、80系の中では比較的高い評価を受けやすい傾向があります。

5〜7年落ちになると、走行距離の差が査定額に効きやすくなります。

年間走行距離が1万km前後であれば5〜7万km程度ですが、通勤などで年間1.5万km以上走っている場合は10万km前後に達していることもあり、同じ年式でも数十万円の差がつくことがあります。

また、この年式帯は80系の中でも装備の充実度にばらつきがあり、両側電動スライドドアや純正ナビの有無、衝突軽減ブレーキの世代によっても評価は変わります。

相場表の平均値だけでは自分の車の位置がつかみにくい年式帯でもあるため、実車査定で正確な評価を受けることが特に重要です。

8年落ちから10年落ちは状態差が出やすい

主な年式 型式 相場目安
8年落ち 2018年式 80系中期 約70万〜130万円前後
9年落ち 2017年式 80系前期〜中期 約55万〜110万円前後
10年落ち 2016年式 80系前期 約40万〜90万円前後

8〜10年落ちでは、80系前期と後期の差、走行距離、修復歴の有無など、個体ごとの条件によって査定額のばらつきが大きくなります。

この年式帯は「10年落ちだから安い」と一括りにされがちですが、状態が良くて走行距離が少なければ100万円近い査定が出るケースもあります。

この価格帯で見落としやすいのが、ボディカラーや内装の状態です。

ホワイトパール系やブラック系は中古車市場での需要が根強く、不人気色と比べると査定にプラスに働きやすい傾向があります。

13年落ちから15年落ちでも査定余地はある

主な年式 型式 相場目安
13年落ち 2013年式 70系末期 約15万〜50万円前後
15年落ち 2011年式 70系 約5万〜30万円前後

13〜15年落ちの70系は、国内の中古車市場だけで見ると厳しい評価になりがちです。

しかし前述のとおり、海外への輸出ルートを持つ業者であれば、年式の古いノアにも一定の買取価格がつく可能性があります。

ここで注意したいのが、「2011年式」と検索する際に「平成23年式」と混同しやすい点です。

2023年式(令和5年式)とは90系の現行モデルですので、年式検索の際は西暦と和暦を間違えないよう確認してください。

ディーラーで下取りを出すと「引き取り(0円)」と提示されやすい年式帯ですが、それは下取りの評価基準がそうなっているだけで、車そのものに価値がないわけではありません。

複数の買取業者に査定を依頼して、競争環境を作ることで本来の市場価値を引き出せるケースは少なくありません。

ハイブリッドやグレードで相場はどう変わるか

年式と型式を押さえたら、次に確認したいのがハイブリッドかガソリンか、そしてどのグレードかという点です。

同じ年式のノアでも、パワートレインとグレードの組み合わせで査定額は大きく動きます。

ハイブリッドS-Zなど人気仕様は差が出やすい

90系ではハイブリッドS-Zがもっとも高いリセールを維持しているグレードです。

トヨタ自動車の公式サイトでも上位グレードに位置づけられており、装備内容の充実度が中古車市場での人気に直結しています。

ハイブリッドとガソリンの価格差は、年式によって効き方が変わります。

高年式(2〜3年落ち)では、ハイブリッドのほうが30万〜50万円程度高い傾向がありますが、年式が古くなるにつれてその差は縮小していきます。

10年落ち前後になると、差は10万円前後まで縮まるケースもあり、「ハイブリッドだから高く売れる」と一概には言えなくなってきます。

海外市場ではガソリン車のほうが整備のしやすさから好まれる地域もあるため、ハイブリッドが常にガソリンより高いとは限りません。

パワートレインだけでなく、グレードとオプション装備の内容を含めて総合的に評価されます。

走行距離や色や修復歴で査定額は変わる

年式・型式・グレード以外にも、査定額を左右する要素があります。

代表的なものは以下のとおりです。

  • 走行距離が年間1万km以内なら加点されやすい
  • ホワイトパール系やブラック系は需要が高い
  • 修復歴ありでも、骨格に影響がなければ大幅減額にならないケースもある
  • 禁煙車、ワンオーナー、整備記録簿ありはプラス要素

一般財団法人日本自動車査定協会(JAAI)の査定基準では、走行距離や内外装の状態、修復歴の有無が加減点の対象になります。

ただし、この基準はあくまで査定のベースとなる考え方であり、実際の買取額は業者ごとの在庫状況や販路によって異なります。

修復歴については、事故で骨格(フレーム)に影響が及んだ場合は大きく減額されますが、バンパーやドアなどの外装パーツ交換のみで骨格に歪みがなければ「修理歴」の扱いとなり、減額幅は限定的な場合もあります。

筆者コメント

筆者が別車種の査定で立ち会った際にも、修復歴の内容を正直に伝えたうえで査定士に詳しく確認してもらうことで、過度な減額を避けられたケースがありました。

下取り価格と買取相場を同じ数字で見ない

ノアの相場を調べていると、「下取り価格」と「買取価格」が混在した情報を目にすることがあります。

この二つは、まったく異なる評価基準で出された数字です。

ディーラーの下取りは新車購入を前提とした手続きの一部であり、車そのものの市場価値を正確に反映しているとは限りません。

特に10年落ち以上や走行距離が多い車両の場合、下取り価格は極端に低くなりやすい傾向があります。

一方、買取専門店の査定は、中古車市場での再販価値や輸出需要を踏まえた金額です。

複数の買取業者が同じ車を査定すると、業者ごとに持っている販路や在庫事情が異なるため、提示額にばらつきが出ます。

この差を利用して競争環境を作ることが、結果的に高い査定額を引き出す近道になります。

筆者コメント

筆者がトヨタの人気ミニバンの売却に関わった経験では、ディーラー下取りと買取専門店の同時査定で約100万円近い差が出たケースもありました。

これはノアに限った話ではなく、ファミリーミニバン全般に見られる傾向です。

下取り額だけを見て「この程度か」と判断する前に、買取専門店の査定を受けて比較することで、自分の車の本来の市場価値が見えてきます。

なお、車買取に関するトラブルは増加傾向にあります。

国民生活センターでも中古車の売却トラブルに関する注意喚起がなされており、消費者庁も「査定の場では契約しないこと」「事前に契約書を確認すること」を呼びかけています。

査定額の高さだけでなく、契約後の減額(再査定)がないかどうか、キャンセル規定がどうなっているかも含めて、安心して取引できる業者かどうかを確認することが大切です。

万一トラブルが発生した場合は、一般社団法人日本自動車購入協会(JPUC)の車売却消費者相談室に相談できます。

ノアの買取価格推移から売り時を考える

相場のおおよその位置がつかめると、次に気になるのは「今売るべきか、もう少し待つべきか」という判断です。

ノアの買取価格推移を見ると、ここ数年は全体的に安定から緩やかな下落基調に移行しています。

グーネットのデータ(2026年7月更新)では、90系ハイブリッドS-Zの場合、2024年式が前月比で約13.9万円、2023年式が約6.6万円下落しています。

新車の供給が正常化してきたことで、以前のようなプレミア相場は収束しつつあり、今後も緩やかに調整が進む可能性があります。

80系は型式自体が一世代前になっているため、年を追うごとに相場は下がる方向ですが、下落幅は比較的穏やかです。

ファミリーミニバンとしての需要が安定しているため、急激に価値がなくなるタイプの車ではありません。

モデルチェンジや車検前だけで急いで決めない

「車検前に売ったほうが得」「モデルチェンジで急落する前に手放すべき」という話をよく見かけますが、これだけを理由に急いで売却を決めるのは少し危険です。

車検費用は10万〜15万円程度かかることが多いため、車検直前のほうが売り手としては余計なコストを避けられるのは事実です。

ただし、車検が残っていることが査定額にプラスに働く面もあるため、車検を通した直後に売ったほうが結果的に手取りが多くなるケースもあります。

一概にどちらが得とは言い切れません。

モデルチェンジについても同様です。

90系が登場した2022年以降、80系の相場は確かに下がりましたが、急落というよりは段階的な調整でした。

売り時を焦るよりも、十分な準備期間を確保して複数社から査定を取り、競争環境を整えることのほうが、最終的な売却額へのインパクトは大きいと考えています。

筆者コメント

筆者自身の経験でも、焦って一社だけに持ち込んで売った場合と、1〜2週間の日程を確保して複数社を集めて査定を受けた場合では、結果に大きな差が出ました。

売り時を月単位で見極めるよりも、売り方の段取りを整えることに時間を使うほうが、手元に残る金額は増えやすいはずです。

売却のタイミングを判断する際は、「今の査定額」と「今後どのくらい乗る予定か」の二つを軸にするのが現実的です。

もう乗り換え先が決まっていて、手続きに余裕があるなら早めに動いたほうが相場の下落分を回避できます。

一方、まだ次の車が決まっていないのであれば、焦る必要はありません。

まずは現時点の査定額を確認し、その金額と今後の使用計画を照らし合わせて判断すれば十分です。

ノアを少しでも高く売るために確認したいこと

最後に、ノアの査定を受ける前に確認しておきたいポイントを整理します。

  • 自分のノアが90系・80系・70系のどれに該当するか確認する
  • 車検証でグレード名(型式)と初度登録年月を確認する
  • 走行距離、修復歴の有無、ボディカラーを把握しておく
  • 整備記録簿やメーカーオプションの内容を整理しておく
  • ディーラー下取り額が出ている場合は、買取査定の比較材料として控えておく

査定を受ける際に大事なのは、1社だけに依頼して即決しないことです。

複数の買取業者に査定を依頼して、できれば同じ日に査定を集中させることで、業者同士が意識し合う環境が生まれます。

個別に回って交渉するよりも効率的で、各社が上限に近い金額を出しやすくなります。

ただし、一括査定を利用すると申し込み直後に多数の電話がかかってくることがあります。

これは業者が「早く査定の約束を取りたい」という競争の結果ですが、最初の電話の勢いに圧倒されて焦って一社に決めてしまうのは避けたいところです。

冷静に日時を調整し、同時に査定を受ける段取りを整えましょう。

査定当日は、「今決めてくれたら特別にこの金額で」という個別交渉を持ちかけられることもあります。

一見好条件に思えますが、他社の査定を打ち切らせて自社のペースに持ち込む手法であることも多いため、全社の金額が出揃うまでは即決しない姿勢が大切です。

査定額の高さと同じくらい重要なのが、取引の安心感です。

契約後に理由をつけて減額(再査定)を求めてくる業者や、高圧的な態度で契約を迫る業者がいないわけではありません。

中堅以上の買取業者であれば、契約書面で減額なしの旨が明記されていたり、キャンセル対応が整備されていたりすることが多く、金額と安心の両面で選ぶことが後悔のない売却につながります。

まとめ

ノアの買取相場は、型式・年式・グレード・走行距離・車両状態の組み合わせで決まります。

この記事で整理した判断の流れを振り返ります。

確認の順番 内容 ポイント
1 型式の特定 90系・80系・70系のどれか
2 年式の確認 年落ちで相場帯がおおよそ決まる
3 グレードとパワートレイン ハイブリッドS-Zなど上位グレードは高値維持
4 走行距離と車両状態 同年式でも数十万円の差がつく要素
5 売り方の段取り 複数社査定・競争環境が最終額を左右する

相場表の数字は、あくまで市場全体の傾向を示した目安です。

ネットで見られるシミュレーション価格と、実際に複数の買取業者が車を前にして出す本気の金額は、多くの場合異なります。

ディーラー下取りだけで判断せず、買取専門店の査定を受けて比較すること。そして、焦って一社に即決するのではなく、複数社が同時に競う環境を整えること。

この二つを押さえるだけで、手元に残る金額は変わってきます。

古い年式だから、走行距離が多いからと最初から諦める必要はありません。

筆者コメント

筆者が見てきた現場では、「もう値段がつかない」と思われていた車に、複数社の競争で予想以上の査定額がついたケースが何度もありました。

相場を確認し、自分のノアの条件を整理したうえで、納得できる形で次のステップに進んでください。